2023年3月23日木曜日

宍塚の蝶・2022年

 五斗蒔だよりに掲載された2022年の記録種数(成虫)は、58種で、2021年より2種増えている。月別に見ると、6月が最多で、41種を記録している。

 今年は、ゴイシシジミ、ウラナミアカシジミも記録され、アサギマダラも2年連続して記録された。

 ゴイシシジミは、アズマネザサに、餌となるアブラムシ、幼虫も観察することができ(写真は、Sa-kaさん)、ほっとしました。

  
  



【観察したチョウ】ダイミョウセセリ、ミヤマセセリ、コチャバネセセリ、キマダラセセリ、オオチャバネセセリ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハ、ツマキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キタキチョウ、モンキチョウ、ウラギンシジミ、ゴイシシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、ウラゴマダラシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、オオミドリシジミ、ミドリシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ウラナミシジミ、テングチョウ、ヒメアカタテハ、アカタテハ、キタテハ、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、ツマグロヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、アサマイチモンジ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、コムラサキ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、ヒメジャノメ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、アサギマダラ



2023年3月7日火曜日

宍塚のトンボ・2022年

 2022年に、土曜観察会などで見かけた宍塚のトンボは、22種。2021年が21種だったので、微増。なお、これまで、宍塚で観察されたトンボは60種で変らず。

 2021年は、チョウトンボなどを見ることができなかったが、2022年は、大池のトンボは、それなりに見ることができた。これは、アメリカザリガニによるヒシなどの食害が、減ってきたことによると思われる。

※すでに、アメリカザニガニとアカミミガメについては、生態系被害防止外来種に指定されているが、2023年6月1日から、条件付特定外来生物に指定される。

 条件付となったのは、両種とも、飼育者がとても多い生きものであり、単に特定外来生物に指定して飼育等を禁止すると、手続きが面倒などの理由で野外へ放す飼育者が増えると予想され、かえって生態系等への被害を生じるおそれがあるため。


【2022年記録種】ホソミオツネントンボ、オオアオイトトンボ、クロイトトンボ、オオイトトンボ、アジアイトトンボ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、ウチワヤンマ、オニヤンマ、オオヤマトンボ、チョウトンボ、ナツアカネ、ノシメトンボ、アキアカネ、マイコアカネ、コシアキトンボ、コフキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボ

  
チョウトンボ
  
ショウジョウトンボ
By yamasanae


2022年4月5日火曜日

宍塚のトンボ・2021年

  2021年に、土曜観察会などで記録した宍塚のトンボは、21種。2020年が26種だったので、やや少な目。

 数年ぶりに、ハグロトンボを記録したものの、チョウトンボなどを見ることができなかった。

 チョウトンボやイトトンボの類のうちには、チョウトンボをはじめとして、クロイトトンボやオオイトトンボなど水草に産卵する種が多く見られるので、ここ数年のアメリカザリガニによる水草の食害、外来魚の大量繁殖にヤゴの被害などの影響が心配される。

【2021年記録種】 ホソミオツネントンボ、オオアオイトトンボ、ハグロトンボ、オオイトトンボ、アジアイトトンボ、サラサヤンマ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、オニヤンマ、オオヤマトンボ、ナツアカネ、ノシメトンボ、アキアカネ、マイコアカネ、コシアキトンボ、コフキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボ

    


宍塚の蝶・2021年

記録種数(成虫)

 五斗蒔だよりに掲載された2021年の記録種数(成虫)は、昨年と同様に56種となっている。月別に見ると、5月が最多で、39種を記録している。

  昨年見られなかった、ギンイチモンジセセリ、久しぶりのミスジチョウ、アサギマダラが記録された一方、ずっと記録されてきたゴイシシジミ、ウラナミアカシジミ、昨年、初記録だったクロミドリシジミを見ることができなかった。


 ゴイシシジミについては、笹の葉裏のアブラムシを見てみたりして、皆で、一所懸命、探したのに、残念でした。

 

2022年4月4日月曜日

ミヤマセセリ 深山挵蝶

Erynnis montana 
セセリチョウ科
チャマダラセセリ亜科
ミヤマセセリ属

 成虫を見ることができるのは、3月から4月。年1化。
 卵から5月ころ幼虫となり、幼虫越冬で、翌年、春早く蛹になり、また、3月から4月に羽化して成虫へ。
 食草は、ブナ科のコナラ、クヌギなど。宍塚ではよく見られる樹木。残念ながら、卵の写真はなかったので、募集中。
 2022年は、3/27にSa-kaさんが初認。


  
♀は、前翅に白い帯状の模様がある
  
 
2~3齢の幼虫
 
4齢ほどの幼虫
By Yamasanae


2021年1月18日月曜日

宍塚の蝶・2020年

 宍塚の蝶・2020

1. 記録種数(成虫)

五斗蒔だより※1 に掲載された2020年の記録種数(成虫)は56種と例年なみであるが、今年は、久しぶりに新種が記録された。井上大成氏により、6月にクロミドリシジミ(茨城県・準絶滅危惧種)を採集したと報告があったのである※2(五斗蒔だより20211月号で既報)。日本産ゼフィルス※3 25種の1種で、この記録により、宍塚では、このうち7※4 が記録されたことになる。

一方、毎年のように見ることができていたギンイチモンジセセリ、オオウラギンスジヒョウモン(いずれも茨城県・絶滅危惧Ⅱ類)などが見られなかったのは残念である。また、ここ数年アサギマダラが確認できず、寂しい気がする。

成虫は確認できなかったものの、オオムラサキ(茨城県・絶滅危惧Ⅱ類)やオオミドリシジミは、幼虫が確認されている。

なお、茨城県に分布する蝶は約110種とされている※5 ので、2020年の一年で、その半数ほどの蝶を観察できたことになる。

2. 月別の観察種

ここ数年と同様に、6月が43種と一番多くなっている。

1月、2月にも記録があるが、成虫越冬する種が存在するためである。

3.  次に期待される種

1979年以来※6 、宍塚の里山で記録された種は72種にのぼっており、今年のクロミドリシジミのほか、近年では、2014年にアカボシゴマダラ(特定外来生物)、2016年にオナガアゲハ、2017年にツマグロキチョウ(茨城県・絶滅危惧ⅠB類)が記録されている。

さて、次に観察が期待される種はなんであろう。

初記録では、シジミチョウ科のコツバメではないだろうか。春先の短い期間に出現。幼虫の食餌植物はアセビ、ヤマツツジ、ガマズミ、ボケなどで、つぼみを食べるらしい。

里山さわやか隊が手入れをしてくれて、環境が変って、すっかり明るくなったゼフィルスの森付近のヤマツツジ辺りで、ジュウニヒトエが咲く頃に、吸蜜しているのが見つかるかも知れない。(写真は、箱根で見た個体


一方、当初の調査以来記録されていないアオバセセリ、ミヤマカラスアゲハなども見てみたいものである。

いると思って探せば、きっと見つかると信じて・・・

Yamasanae 


    2020年に観察された蝶

【セセリチョウ科】ダイミョウセセリ、ミヤマセセリ、コチャバネセセリ、キマダラセセリ、オオチャバネセセリ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ、【アゲハチョウ科】ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、ナガサキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、【シロチョウ科】ツマキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キタキチョウ、モンキチョウ、【シジミチョウ科】ウラギンシジミ、ゴイシシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、ウラゴマダラシジミ(茨城県・準絶滅危惧種)、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、クロミドリシジミ(茨城県・準絶滅危惧種)、ミドリシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ウラナミシジミ、【タテハチョウ科】テングチョウ、ヒメアカタテハ、アカタテハ、キタテハ、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、ツマグロヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、アサマイチモンジ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ(特定外来生物)、コムラサキ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、ヒメジャノメ、ジャノメチョウ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ 56

 

参考 茨城県版レッドデータブック2016年改訂版P122以下

「チョウ目のうちチョウ類では,南方系種で本来本県では生息が確認されなかったムラサキツバメ,ナガサキアゲハ,ツマグロヒョウモンなどが近年本県に定着し,一方ではチャバネセセリ,クロシジミ,スジボソヤマキチョウ,ツマグロキチョウ,各種ゼフィルス類などは絶滅の危機に瀕している。県内に分布する約 110 種の中から 33 種を選定したが,初版時より 12 種も増えている。なお,ウスバアゲハ(ウスバシロチョウ)は福島県方面からの自然拡散で本県の八溝山周辺にも侵入してきた。」



※1 宍塚の自然と歴史の会会報 五斗蒔だより各月に見られたチョウ(佐藤和明ほか)

※2 水戸昆虫研究会会誌「るりぼし」49号(202012月)

※3 ゼフィルスとは、樹上性のシジミチョウの仲間。会の森の名称の由来でもある。

※4 ウラゴマダラシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、オオミドリシジミ、クロミドリシジミ、ミドリシジミ

※5 茨城県版レッドデータブック2016年改訂版P122

※6 1979から1994年までにわたりおこなわれた観察結果をまとめた宍塚大池地域自然環境調査報告書11章「宍塚大池地区のチョウ」(199511月、及川ひろみ、松井安俊)、及び、それ以降の五斗蒔だよりの記録(及川、村山、久保木、佐藤ら)