2012年7月17日火曜日

2012/07/17 根本さんの甲虫ノート

7月17日(火)晴れ時々曇り 23℃~33℃
 前回から1ヶ月近くたつが、梅雨の中のつかの間の晴れなので大池に来た。今年は冬場からずっと気温が低く、7月に入っても低温が続いたが、今日は急に気温が上昇した。
 まず、先日みつけた新しい倒木へ行ってみたが、ゴマフカミキリとナガゴマフカミキリが3頭づついただけで、採集するようなものはいなかった。カオジロヒゲナガゾウムシのペアがいたのでどうしようかと迷ったが、家でブリーディングするために持ち帰ることにした。
 近くのセンノキには小型のセンノキカミキリが3頭いたが、こちらはそのままにしておいた。オニグルミにはウスバカミキリとノコギリカミキリがいたので、写真だけとっておいた。トラカミキリとハナカミキリのような動きの速いものはデジカメでも中々写真を撮れないが、この2種は夜行性なので動きが鈍く、写真を撮りやすい。
 気温は高いし、時期的にトラカミキリなどは狙えないので、昨年2頭のノコギリカミキリの♂がいた余り目立たない低木へ行ってみたが、周りの低木や草が伐採され非常に目立つようになってしまっていた。唯、この木だけが残っているのを見ると、伐採した人も分かっていたのではないかと思った。食痕もあり、樹液も出ているのだが、コクワガタさえいなかった。民家が近いので採られた可能性が高い。
 途中の葉上、特にノブドウの葉上にはカシルリオトシブミが多数いて、他のハムシやゾウムシ等も多くいた。また樹液の出ているクヌギやコナラには、カナブンとクロカナブンはいたが、ノコギリクワガタはおろかカブトやコクワさえいなかった。もともとこの大池にはカブトやノコギリカミキリは結構いるのだが、どういう訳か、コクワガタは余り多くなく、いても小型のものが多い。コクワガタは数は多いが、都市化の進んだ所では、その影響を受けやすい種といわれているので、この都市と都市との間にある大池には少ないのかもしれない。
 林の中に入ると気温は下がるが、湿度は上がる。よく見ていくと、先日の2本の大きな倒木の他にも折れたり倒れたりしている木や枝がかなりある。特に、西側に面した所に多く、西からの強風にやられたようだ。今年は6月に2つの台風が来たし、北条で竜巻が発生したりして、強風の吹く日が多かった。大池に来はじめて14~15年たつが、これだけ木がやられたのは初めての事だ。倒木には、ナガゴマフカミキリが多く、ゾウムシもかなりいた。しかし、目ぼしいものはおらずガッカリしていたが、林の出口付近の折れた枝でセミスジカミキリ(セミスジコブヒゲカミキリ)を発見。慎重にネットを使って採った。型は小さいが、あの特徴的な触角は見事で、すぐに♂とわかった。
 他にも、アカハナカミキリやヨツキボシカミキリなどもいたが、クワガタは全くおらず、もう少し先の夜間でないと難しいかもしれないと思いながら、帰途についた。

【同封した写真の説明】
①と② 炭焼き釜近くのオニグルミのある広場にて
オニグルミの大木に来ていたウスバカミキリ。本来、夜行性だが、日中にも活動する。成虫は生木を食害するので害虫だが、その木が枯れるほど食害はしない。大池では少ないものの、亀城公園のヤナギはひどい有様となっている。
以前は余り見かけなかったが、10数年前から街なかへの進出が進み、今や普通種の代表格となっている。その分、非常に多くいたミヤマカミキリの数が減っている。ミヤマカミキリは樹液に来るので、その植生の違いのためなのか、幼虫時の生育環境からきているのかはよく分からない。  



③ オニグルミの木にいたが飛んで逃げようとしているノコギリカミキリ
これも普通種の代表格だが、最近は減っている。主に、樹液に来るが、生木を食害することもある。これも本来は夜行性。近縁種のニセノコギリカミキリは、より翅鞘の幅があり、薄いのでゴキブリと間違えられる。こちらは、ここ20年程見たことがない。



④ 強風で倒れたコナラの大木
ここで久しぶりにシナノクロフカミキリを採集した。ゴマフカミキリやゾウムシも多数来ていた。カミキリの産卵木としては絶好の場なのだが、まだ新しいのにもう小型のアリが多数入り始めている。他の場所ではもっと腐朽が進まないとアリは来ないのだが、ここ大池ではすぐにアリが来る。キノコのホダ木用に切り出された材もそうだが、あれだけの太いものが多数あった場合、アリが入り始めるには4~5年かかる。相模湖や大月付近の伐採木でも、切り出されて5年くらいたったものでも、ルリボシを始め、多くのカミキリが来るものだが、ここでは、この小型のアリのせいで伐採木がすぐ駄目になる。

⑤と⑥ ゲンベーヤマから常磐高速へと抜ける途中の雑木林
この照葉樹(特に、コナラとクヌギ)の多い林は、カミキリやクワガタなどもいるが、林道から外れるとひどい目に合うことになる。林の中に入ってしまうと、思っていたよりずっと深く、私も初めの頃は、コンパスがないと自分のいる位置が分からなくなったこともしばしばあった。その上、ジョロウグモの巣が多く、ネットを持っている私はネットでカバーできるのでいいが、何もないと全身クモの巣まみれになってしまう。
その上、小さな谷津が多数あるので落ちたら悲惨だ。夏場は草や笹で全く見えないので、よほどよく知っている人でないと危ない。また、林道脇も割れたガラスビンやブリキ缶などがあるので簡単に入らない方がいい。林道を歩いている限り、防虫スプレーをよく吹き付けておけば安全だが、スズメバチは要注意だ。冬場に来て地形をよく見ておくのも一つの手だが、素人は余り奥へは入らない方がいい。

   




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