2015年8月10日月曜日

2015/08/10 根本さんの甲虫ノート

8月10日(月) 晴れ時々曇り 26℃~33℃

 ここ2週間以上、猛暑というより酷暑といってもいい日が続き、連日34℃~36℃といった最高気温を記録した。この暑さではさすがに甲虫の調査に行く気も失せた。すでに平地ではシーズンを過ぎたし、低山地でも夜間採集でもしないと甲虫の種は限られる。狙えるのは、カブトムシ、クワガタ、大型のカミキリと遅出の一部の種だけだ。まずは宍塚側入り口の近くの残った伐採木から見ていこうと思ったが、予想以上に草や竹が生い茂り、奥まで入れそうもなかった。(写真⑪1-2)  



それでも前回、カブトムシの♀を捕まえた2つの切り株までは行けそうなので、草をかき分けて近づいてみると、前回の切り株とは違う、もう一つの切り株にカブトの♀とカナブンが来ているのを見つけた。(写真⑪3-4)


  
静かに近づくと、前回のものよりやや小型のカブトの♀と1頭とカナブンが3頭、盛んに、樹液をあさっている。かなり近くで接写しても全く意に反さず、樹液をなめるのに必死だ。また、切株の側面にはナガゴマフカミキリも来ていた。(写真⑪5)


それにしても今年はカナブンが多く、シロテンハナムグリと共に飛んでいる姿をよく見かける。その反対に、街で多く見かけたカナブンとアオドウガネは街なかでは例年の1/10程度しかいない。何か相関関係があるのかまでは分からないが、事実としてそうなっている。オオキスイもいたのだが、これは接写をしようと近づいた途端深い下草の中に落ちてしまった。
 次にオニグルミのある広場へと向かう。まずはトラフカミキリが出ているであろう太いクワの木を見て回る。しかし、いくら見てもトラフを発見することができない。新しい食痕もいくつかあるし、樹液も出ているのだが、いくら見ても全くいない。暑さのせいで20日近く来なかった間に出現したか、これから出るのかはわからないが、今までの記録を見ると、どうも前者のようだ。カミキリは、種によって違うが、出現期は短く、者によっては、10日~2週間くらいだ。特に、トラフカミキリの場合、茨城県の平地では、7月後半~8月前半に出現する場合が多く、その年の気候や温度によって違いはあるが、すでに出てしまった可能性の方が高い。結局、このクワノキでは、キボシカミキリを見つけただけで他には何もいなかった。(写真⑪6)


仕方がないので、オニグルミとその奥にある若いコナラの低木を見ていく。以前はオニグルミにもノコギリクワガタがいたが、最近はほとんど見ていない。太いものは一応全部チェックしたが、これといったものはいなかった。ここのように日光がよく当たる大木となったオニグルミは、木のかなり上でないと樹液が出ていないので、奥にあるコナラの低木の方が甲虫を狙える。下草やクモの巣の具合から見ても人はあまり入っていないようで、最初に見たコナラの低木のすぐわきに中型のノコギリクワガタのオスの死体があった。(写真⑪7-8)

  

アリに食べられた様子もなく、まだ新し死体で2日から3日程前にこの木の樹液に来て、自然死したようだ。この一番よく人の集まるような場所にも、ノコギリクワガタがいたという事になる。更によく探っていくと、根元が木屑だらけになっているコナラの低木で、コクワガタの♂♀1頭づつを見つけた。♂は小型だが、♀は中型で、最近ではなかなかのものと言えるので、♀だけをブリーディング用に持ち帰ることにした。(写真⑪9-10)


  
その後も、この近辺を探り、プレハブ小屋の裏のクズの葉上で7~8頭のコフキゾウムシを見つけた。通常、コフキゾウムシは緑色なのだが、その名の通り、粒上のもので全身が覆われているので、ここのもののように、白だったり、黄緑色だったりと色彩の変化は多様だ。ペアのものだけ接写をしてみたが、この日は風が強くクズの葉が大きく揺れるので大変だった。(写真⑪11-12)


  
 その後は、いつものコースへ戻ったが、とにかく日射を受けていると厚く、下着やシャツは汗でぐっしょりとなり、どうしようもない状態となった。幸い、今日は大きなボトルを持ってきたので、水分補給は充分なのだが、紫外線が刺さるように強いそれでも、途中のコナラの大木でクロカナブン1頭とカナブン3頭を見つけた。クロカナブンは今年初めて採ったので、採集した(写真⑪13)


この木には以前はカブトムシも多かったのだが、去年、今年とまだその姿を見ていない。クロカナブンやカナブンが来るほど樹液が出ているのに、なぜいないのかは、カブトムシに聞いてみないと分からない。ここからは時間の関係上、いくつかのポイントをチェックするのを最優先し、余り欲張らずに調査することにした。前回良型のカブトムシの♂♀やコクワガタを採ったクヌギに向かう。ここは林道から10mほど入るので、一般の人はまず来ないところだ。しかも、樹液が出ているのが根元付近なので、ただ歩いていたのでは発見しにくい。また、見つけたとしても常にスズメバチが複数いるので、そう簡単には手を出せない。まず、樹液の出ている付近を見ると、良型のコクワガタ♂2頭♀1頭、カブトムシの良型♂♀が1頭づつ、(写真⑪14)


カナブンは5~6頭来ていた。この良型と書いたコクワガタとカブトムシは、近年では余り見なくなった昔のサイズのものだ。特にコクワガタの♂は久しぶりに見る黒色で小型のヒラタクワガタかと思うほど立派だ。(写真⑪15)


下草や落ち葉を静かにどけてみると、多数のコクワガタやカブトムシが出てきた。(写真⑪16-17)コクワガタは型の良い♂2頭と♀2頭を持ち帰ることにした。しかし、残念ながら、この日はノコギリクワガタはいなかった。


  
 この後はゲンベーヤマ付近の伐採木を中心に見ていく。及川さんの話の通り多数の数の木が伐採されているのだが、温帯照葉樹は6~7割なので、来年になってみないと詳しくは分からない。それでもキイロトラカミキリやナカジロサビ、ナガゴマフなどが来ていた伐採木もあるので、来年が楽しみだ。そのような中の伐採木(写真⑪18-19)に、カタジロゴマフカミキリが来ていた。これは今までに何度も記したが、この時期に多いナガゴマフと比べるとずっと少ないので採集した。(写真⑪20)




また、近くの伐採木にナガゴマフもいたので、比較するためにこれも採集した。(写真⑪21)


似ていて少しわかりにくいかもしれないが、左側の触角(アンテナ)が欠けているのがカタジロゴマフ。右側がナガゴマフだ。(写真⑪22)


 林に入ると陽光が遮られ涼しくなる。しかし、これが問題で、間伐や下枝打ちがされていないので、これだけのクヌギやコナラを中心とした林なのに、甲虫の姿は少ない。(写真⑪23)


10年前くらい前まではノコギリクワガタやシロスジカミキリなどもかなりいたのだが、今は見られない。時間も6:00PM位になってくると、だいぶ涼しくなり、クワガタなども出始める。今でも確実にノコギリクワガタの狙える出口付近のクヌギの大木へと急ぐ。ここは南西から西にかけて陽光がよく当たるので、クヌギも太く樹液を出しているものが多い。こうした陽光のよく当たる所では太い枝も地表から2~3mの所から出ているし、樹液の出る場所も多く、意外に低いところでも樹液の出ているところがある。(写真⑪24)


この付近のクヌギの大木は、ほとんどがポイントといってもよく、これまでも多くのノコギリクワガタを捕まえているので、出てくる場所も大体把握している。日も暮れはじめ、タイミングも超といいので、慌てずゆっくりとポイントを見て回る。たまにコクワガタが姿を見せるが、型は中程度だ。30分以上、この50m程の所を行ったり来たりして見たが、なかなかノコギリクワガタの姿を見つけられない。だいぶ暗くなってきた頃、この付近では、補足あまり目立たないクヌギの木で、中型のノコギリクワガタの♂を見つけた。(写真⑪25)


しかし、細いといっても、直径は20cm程で、高さは10m位ある。その上、そのノコギリはちょうど中間付近の5m位のところにいる。私が背伸びをしても、1.8mのネットでは3.8m付近までしか届かない。どうしようもなく、しばらく見ていると、4m程の所にある洞から2頭目と3頭目が出てきた。何れも大きさは同じくらいの♂だ。それならばと思い、こうした時の為にリュックに入れてあるビニールひもを取り出し、近くにあった2mほどの枯れ枝にネットを結びつけた。さあ、これで捕まえられると思い上を見ると、3頭とも上へ上へあがっていく。どうにか一番下のものは射程距離なので、強引にネットで下から着くと、うまくネットの中に落ちた。あまり大きくはないが、大顎がの湾曲した中型のもの1頭を捕まえることができた。(写真⑪26-27)


  
しかし、他の2頭はかなり上まで登ってしまった上に、辺りはだいぶ暗くなってきて、視認するのも難しい。懐中電灯もいつもリュックには入れてあるが、どう考えても採るのは難しく、時間も7時を回った。ここで欲を出してとったところでどうということもないので、ここはさっぱりあきらめて帰ることにした。
 なお、このノコギリクワガタの♂は、現在、9月14日だが、捕まえてから1ヶ月以上元気に生きている。




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