2015年7月21日火曜日

2015/07/21 根本さんの甲虫ノート

7月21日(火) 晴れ 24℃~34℃
ずっと雨が続き、なかなか来られなかったが、梅雨明けと同時に猛暑となった。34℃~35℃と昔では考えられなかった高温となり、盆地や内陸部では37℃~38度といった酷暑となっている。やはり地球の温暖化は進んでいるのだが、今年の冬はかなり寒かったし、6月も梅雨とはいえ、気温の低い日が続いた。端にCO2の増加で温暖化が進んでいるだけではなく、色々なことが絡んで天候や気温が極端に振れるようになっていると思われる。
 まずは残り少なくなったクヌギの伐採木を見ておこうと思い、リュックを切株の上におこうとしたら、2頭のカナブンと型のいいカブトムシの♀が来ていた。(写真⑨1)

クヌギやコナラは生命力が強いので、切り倒されても、すぐに芽を出すし、切り口付近から樹液を出している。ここのクヌギは余りにも根元近くできられているので、いつまで持つかわからないが、関西などでは地上2~3m付近で切る。そうすると、クヌギは枯れることはなく生き続けるの出て、太いが余り高くない「ダイバクヌギ」と呼ばれるものになる。このダイバクヌギは、大クワガタの絶好の住処となるので、ブリーダーの人たちは、このダイバクヌギを回り、ワイルドのオオクワガタを採る。ただ、ブリーダーの人たちは、大クワガタの生態や他の甲虫には全く興味が無いので、木を手斧などで傷つけるので、我々マニアは非常に困る。それにしても、昨年はほとんど採れなかったカブトムシが♀とはいえ、前回のものとあわせて2頭となった。これで♂が獲れればブリーディングが出来るのだが、そう簡単にはいかない。次に周りにある日の当たらないところの伐採木を見ていくが、ナガゴマフカミキリ2頭とキマワリがいただけだった。(写真⑨2)

本命のわずかに残ったクヌギ材にはカミキリの姿はなく、本日もまた2頭のタマムシが産卵に来ていた。(写真⑨3)

玉虫は敏感だが、羽音が大きいのですぐに気付くし、スピードも遅いので、飛んでいる所をネットで採るのは簡単だ。一応、撮影だけして逃がしてやった。
 次にオニグルミのある広場へ向かう。トチュウノイドフキンデトウキョウヒメハンミョウを見つけた。図鑑などでは、山や林よりも都市の後縁の砂地などに多いとあるが、実際には餌となる小型のバッタやクモなどがいる所なら何処にでもいる。ただ、小さいうえにあまりにも動きが早く、すぐ飛ぶので分からないだけだ。(写真⑨4-5)

  
 我が家の狭い庭にもいるし、隣りの実家の寺の墓地にもいる。多田成虫や幼虫の餌となる小型の虫や少量の水が無いと生きていけないので、700坪くらいの墓地でもいる場所は4箇所くらいで範囲も3m四方くらいの所だけだ。ここ大池でも沢山いるのは、林の中の林道の2ヶ所くらいだ。それも、余りにもスピードが速いので、普通の人は全く気付かないと思う。私も目で見つけるのではなく、気配で分かるのであって、やはり経験を積まないと分からない。
 オニグルミのある広場では、最も小さいオニグルミの葉を後食していたコフキコガネを見つけた。(写真⑨6-7)

  
次にこの木の樹液に来ていたシロテンハナムグリを捕まえ、(写真⑨8)

撮影するだけにして逃がしてやった。いまさら採ってもしょうがないものは、撮影だけにしている。大きなクワの木にはキボシカミキリが1頭いただけで、トラフカミキリはまだいなかった。次にいつものように太いオニグルミの樹洞を覗くと、前回いたウスバカミキリが相変わらずいた。(写真⑨9)

更の奥にある小さなコナラやクヌギの若木には、前回同様、樹液を出しているものが3本あり、そこにはヨツボシケシキスイとオオキスイが何頭か来ていた。(写真⑨10-13)

  
 しばらく見かけない年が続いたが、今年は特によく見かけるようになった。夏の甲虫酒場には欠かせない存在なので、これらをみると安心する。カブトムシやクワガタはいなかったが、木のそばで小型のカブトムシのオスの死体を見つけたので、この付近の木にも来ているようだ(写真⑨15)

今まではここまでしか入れなかったが、この辺りも及川さんたちが整備したようで、かなり奥まで入れるようになった。太いオニグルミやコナラなどが沢山あり、中には多量の樹液を出しているものもあった。(写真⑨16-18)


   
間伐された樹木も多く、来年以降が楽しみだ。それにしても、少ない人数でここまでやるという事には頭が下がる。さすがは「宍塚の自然と歴史の会」だとつくづく思った。
 ここからはいつものコースを行くのだが、あまりの暑さにスポーツドリンクを飲んでしまい、最後の一口分しかなくなってしまった。いつもの500ccの水筒では小さすぎた。水分の確保は炎天下では一番大事なので、しまったと思ったが、どうしようもないので、ゲンベーヤマを見て回ることにした。ここも、大分間伐がされ、日光が下まで届くようになったので、樹液を出しているクヌギやコナラも多く、その中の1本でカナブンやカブトムシが集まっているものを見つけた。(写真⑨19-23)



    
地表付近に樹液が出ていて、まず目に留まったのは4頭のカナブンと2頭のスズメバチだった。こうした時は、冷静になって、その木全体と周りの状況を確認することが大事だ。よく見ていると、枯葉で隠れた根元付近へカナブンが潜り込んでいく。静かに枯葉をどけてみると、カブトムシの♂1頭と♀2頭が出てきた。♀はどちらも小型だが♂は良型で最近では珍しい。コクワガタの♂も2頭いるが、スズメバチがいるのでそれ以上探れない。見ているうちに、スズメバチは3頭となり、こちらを威嚇してくる。仕方がないので、虫よけスプレーをスズメバチに欠けると、カナブンは2頭が飛んで逃げたが、カブトムシは鈍いので動くことも無く樹液をなめ続けている。♀はすでに2頭いるので♂だけを捕まえて虫かごに入れた。これでブリーディングができるので、暑い中を来たかいがあったというものだ。ただ、この木にはスズメバチが多いので、一般の人は余り近づかない方がいい。
 ゲンベーヤマも大分間伐がされ、伐採木も多い。(写真⑨24-27)



    
今年はずっと宍塚入り口のクヌギの大木に時間を割いていたので、この辺りの伐採木は余りよく見ていなかったが、ここも来年は期待できそうだ。ただ、この木の種類がよく分からないので、そこが問題だ。ケヤキの樹肌に似ているのだが、葉が枯れかけているので何とも言えない。7割くらいのものは温帯照葉樹なので、クヌギやコナラ程ではないが、カミキリやほかの甲虫も来るだろうと思う。樹木はキノコと同じでいくら図鑑を見ても分からない。樹齢によって全く違うし、ウリハダカエデ、イタヤカエデ、クスノキ、スダジイ、ブナなどは一目でわかるがシイの木、アオダモ、ミズナラなど多くのものは分からない。詳しい人と現場を歩いて学ぶのが一番なのだが、そのような知人もいない。いずれにしても、ここにある伐採木の一部にはキイロトラカミキリ、ナカジロサビ、ナガゴマフが来ていたのは事実で、来年はもっとよく調査してみようと思う。実際、この日もナガゴマフカミキリが来ていた伐採木もあった。(写真⑨28-29)

また偶然だろうがアオドウガネコガネ(アオドウガネ)もいた。(写真⑨30)

毎年気になっているヤツメカミキリも前回まではいなかったが、今日はいつものヤマザクラでペアではなく単独でいた。(写真⑨31-33)

  
捕まえてみると、全体がグレーで、頭部と前胸背に茶系の色が入っている。ヤツメは色彩変化の多い種だが、このような色のヤツメは初めて見た。
 その後は、林の中の林道を行く。林の中は涼しく、紫外線も当らないので、残り少ない水分でも大丈夫そうだ。こちらとしては体は楽になったが、このようにほとんど人の手が入っていない林というのは、日光がほとんど入らず、太いクヌギやコナラはたくさんあるのだが、植物にとって最も必要な光合成が高いところにある葉だけでしか行えないので、樹液が出ていないか、出ていても高い部分なのでどうしようもない。ここには入れ始めた15~16年前にはノコギリクワガタの良型のものが採れたところはたくさんあったのだが、今は日当たりのいい限られたところでないと何もいない。林の中を歩いてみればわかるのだが、出口付近や一部のクヌギやコナラは太いものでも根元から2~3m位のところに太い枝があり樹液が出ている。ところが大多数のものは7~8m以上でないと太い枝がない。つまりは日照不足で樹液が出ていないが、出ていてもかなり高いところなのでどうしようもないという状況になっているのだ。こうなると、花を咲かせる低木もないし、伐採木もない。見た目には深い林に見えるが、実際には何もいない死んだ林といっても過言ではないだろう。(写真⑨34-35)

これは、何も大池付近の雑木林だけの問題ではない。里山や低山地帯は何処へ行ってもそういうことになっている。長年通った愛宕山などはもっとひどい。ミヤマクワガタはおろか、型のいいコクワガタすらいない。♀と間違うような小型のものはいるが、ノコギリクワガタも夜間採集で1~2頭採れればいい方だ。しかも、そうなったのはここ10年位の事だ。その点、ここ大池はずっといい生態系が存在している。林の中はいくつかのポイントを除いてはダメでも、日光のあたるゲンベーヤマまでの林道や出口付近、常磐高速沿いの林には、まだまだ多くの甲虫が存在し、コクワガタ、ノコギリクワガタ、カブトムシ、カミキリなどがいる。
 今日も、出口付近のクヌギの大木のあるポイントでは、(写真⑨36-39)


   
林道から少し入ったクヌギで良型のカブトムシの♂を捕まえた。(写真⑨40)

これでカブトムシの良型の♂♀2頭づつがそろったのでブリーディングができる。この付近のクヌギは南西から西にかけて日光がよく当たるので大木が多く、樹液の出ている場所を多い。6:00近くになって気温も下がり始めると、樹洞や木の割れ目などコクワガタが出てくる。その後はクヌギの根元付近の地中からノコギリクワガタが樹液を求めて姿を現す。まずはかなり小型で大顎も湾曲していないノコギリクワガタの♂を見つけた。林道からは見えない少々奥へ入ったクヌギなのだが、ここは地表付近に樹液が出ていて、よくノコギリクワガタが採れるポイントだ。(写真⑨41-42)

しかし、この木にたどり着くのが八編で、雑草と笹をかき分け、ジョロウグモの巣をネットで壊しながら進むが、それでも蜘蛛の巣と芥でひどいことになってしまう。その後もこの付近のクヌギの大木を見て回ると、その中の1本で中型のノコギリクワガタの♂1頭を捕まえた。(写真⑨43-44)

  
これはあまり大きくはないが、大顎が湾曲したなかなかのものだ。この2頭のノコギリクワガタも家で飼うことにした。本当はここからが本番なのだが、家の事もあるうえ、夜間採集の用意もしてなかったので、PM7:00頃に帰ることにした。帰りに常磐高速沿いの道にあったクリの木でクリアナアキゾウムシを採った。(写真⑨45)

 また、この日は、以前hanaさんから言われた歩行性甲虫を調べてほしいという事を思い出し、ゲンベーヤマ系斜面に、ガラス瓶の中に外国産甲虫用のゼリーと黒蜜を混ぜたトラップを仕掛けてきた。糖蜜採集なので、狙いはオサムシだ。愛宕山のように車道に深い側溝がある所では、それが自然のトラップと生るのでオサムシやゴミムシが多数獲れるが、下草や落ち葉のある里山では難しいので、石や倒木の下を見るくらいしかやっていなかった。しかも、オサムシ、ゴミムシ、ハンミョウなどの歩行牲甲虫は平地では種が限られるので、こちらもあまりやる気にはならなかった。ただ、これだけの里山なら、アオオサムシとマイマイカブリ位入るだろうとは思っていたので、今回は試しにやってみた。オサムシというと食虫甲虫の代表で、毛虫でもミミズでも何でも食べる。狭いケースなどで飼うと、共食いもする凶暴な甲虫だが、これが意外にも糖蜜によく来る。ゴミムシを狙うなら腐肉か生のドッグフードがいいが、オサムシは糖蜜採集というのがマニアの常識だ。
 また、これは余談なのだが、今日は帰りに林の出口付近の林道でマムシにあった。大池付近では2度目だが、マムシは子どもの頃からよく見ているので、別に堂という事もないが、見ていると、先ほどまで私がクワガタを採っていた林の中へ入っていった。マムシは、こちらがジッとしていれば何という事もないのだが、これがあの林の中にいるとなると、笹や下草で下は何も見えないので、うっかり踏んでしまったりすることもあるかもしれないので、気をつけなければならない。特に、マムシがとぐろを播いているときには、攻撃態勢に入っている上に、その体制から70~80cm位はジャンプするので、少し筒静かにそのままの姿勢で下がり、2m以上離れた方がいい。




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