2015年6月2日火曜日

2015/06/02 根本さんの甲虫ノート

6月2日(火)晴れ時々曇り 16℃~29.5℃
 寒暖の差が激しかったが、今日は6月らしい天候で、気温は高いが、陽光はあまり強くなかった。今日も主な目的は例のクヌギの伐採木だ。11時に現地についたが、サラッと見たところでは大した変りはなかった。まず目についたのはクロナガタマムシだ。(写真Ⅴ1-3)



 リュックの置き場にしているクヌギの大きな切株とクヌギ材にも5~6頭いた。小型のタマムシもいるのだが、余りにも小さいのと早いのでどうしようもない。クヌギの表皮には深い溝があるので、その間にいるものを捕まえるのは難しい。伐採されたマダケには、まだベニカミキリがいる。(写真Ⅴ4)

 まずひとまわりしてみたが、ヒメヒゲナガカミキリ(写真Ⅴ5-7)とゴマフカミキリがいるだけだった。



 PM12:30頃、ゴマフのペアがいたので写真を撮ろうと思い、クヌギの材の下を除くとゴマフのペアの少し先に小型のクビアカトラカミキリがいた。産卵をしているらしく、カメラを近付けても全然動かない。(写真Ⅴ8-9)

 
 小さいので撮影だけしてそのままにしておいた。例外もあるが、ペアと産卵中のものは採集しないというのが、私のルールだ。(例外もいるが)型も小さいので、まあれは仕方がないだろうと思っていると、PM1:00を過ぎたころから、クビアカトラカミキリが次々と飛来し始めた。(写真Ⅴ10-13)



 
 最初の1頭は型も良く、採りやすいところに来たので、意外と簡単にネットに入った。これで、今日来た最低の目的は達成したので安心していると、クビアカトラカミキリが次々と飛来してくる。前回同様、PM1:00~PM2:00頃がピークで、PM3:30頃までそれが続いた。とにかく、その数の多さには驚いた。確認したものだけでも20頭以上履いて、交尾を始めるものまでいた。しかし、とにかく早いので大変だ。ハチやハエなどよりはるかに早く飛んでいるものを捕まえるのは不可能に近い。材から飛び立つところを狙っても目で終えるのは、せいぜい30cm程度。もう感覚で察知するしかなく、林へ止まったものでも歩くスピードが早く、これだけいても普通の人にはいること自体が解らないだろう。PM1:30頃には、常にどこかの林に1頭はいるという状況になった。大きさもまちまちで、小型のものは6㎜~7㎜位しかないのに、大きなものは15㎜を超える。ペアとなったものが、たまたまメスのほうがオスより大きかったので、大きな方がメスかと思ったが、産卵をしている♀でもかなり小型のものもいるので、大小だけで♂♀の区別をつけるわけにもいかない。カミキリ科の場合、こうしたものは多いので、そう単純ではない。
 しかし、この状況を客観的に見てみると、今まで相模湖や藤野まで片道4時間半も時間をかけて、かなり無理をして言っていたのが馬鹿らしくなってくる。まあ、茨城には絶対いないものもかなり採集したが、このクビアカトラはルリボシカミキリに次ぐ存在だと思っていた。それが、15年間も通って2頭しか採れなかったクビアカトラが、自分の住む市にこんなに沢山いるなどとは思っても見なかった。実際、かなり古い図鑑だが、保育社刊の「原色甲虫図鑑」(中根猛彦監修・国立科学博物館理学博士)には、余り多くない種と明記されている。私もマニアとしていろいろなところへ行っているが、クビアカトラがいたのは、相模湖、藤野だけだ。それが、いくら上等のクヌギ材があるとは言っても、こんなにいるというのが論理的に納得できない。しかし、我々マニアはあくまでも現場主義なので、この状況を受け入れるしかない。
 PM2:30になると、クビアカトラの飛来数が急に落ちた。陽光も刺したり刺さなかったりだが、この時間帯というものは、クビアカトラに限れば、明確にある。陽光も少しは関係しているが、あまり明確なものとは言えない。そのような事を考えていたら、急に目の前の伐採木にキイロトラカミキリが飛来した。(写真Ⅴ14-17)



 
 クビアカトラに集中し過ぎていたせいか、急に来たので焦って無理にネットで捕まえようとしたために逃げられてしまった。しかし、このPM2:30くらいで全く状況が変わって、キイロトラが来るようになった。キイロトラはここ大池には以前からいるにはいるが、条件によほど恵まれないと見る事さえ難しい。実際、大池に通って15年位になるが、キイロトラを複数捕まえたのは数えるほどしかない。
 PM2:30~PM3:30の間に6頭のキイロトラと3頭のキスジトラが来たので、前者を3頭、後者は1頭だけ採集した(写真Ⅴ18-19)。


 ここのキイロトラは、どれも型がよく、飛ぶ羽音が聞こえるほどだ。そこで思ったのが、相模湖、藤野でのキイロトラとクビアカトラの数と、ここ大池での数が全く逆になっていることだ。相模湖、藤野へ6月中旬に行くと、キイロトラは嫌になるほど沢山いる。しかし、クビアカトラは珍しくめったにいない。環境が変わると、ここまでその種の多さが変わるのかとつくづく思った。前回ここにいるクビアカトラは鈍感だと記したが、こういった意味でも全く逆なのだ。ここのキイロトラは数は少ないが、型がよく鋭敏だ。その種の繁栄ぶりが、個体の性質まで変えている。ここのところは重要だと思った。
 
その後は、いつものコースを歩いたが、出るべき種は出ているが、これはと思うものはいなかった。


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