2015年5月21日木曜日

2015/05/21 根本さんの甲虫ノート

5月21日(木)晴れ 15℃~25℃
 どうしてもあのクヌギの伐採木が気になり、10日部例に大池に行ってきた。今日も定点採集が主となる。今年は気温の変化が激しく、桜が散った頃にみぞれが降ったり、5月初めに気温が27℃~28℃位に上がったりと、虫の出を予測するのが難しい。地球全体の温暖化と北極上空のジェット気流蛇行がメチャクチャだ。通常は5月下旬に出るトラカミキリが5月6日には出ているので、他の甲虫の出も早い。
 11時頃に宍塚方面から入る。始めはゆっくり全体を見ながら慎重に見ていくが、ゴマフカミキリは5頭いたが、後は小型のチビタマムシ位だ。時々、出遅れたベニカミキリが飛来するが、甲虫の気配は余りない。全体の状況は掴んだので、姿勢を低くし、目線を無視と同じにしたうえで、個別的に材を見ていく。すると、一番奥の枝の部分にカミキリらしきものを発見。目が慣れるまではよく分からなかったが、小型のキマダラカミキリの♂だ。鮮やかな金色をしているのですぐにわかりそうなものだが、陽光の強い現場では、クヌギやコナラの幹にいると、これが保護色となって気付きにくい。あまり敏感な種ではないので、写真を撮ってから手で採集した。(写真Ⅳ1-2)写真からも分かるように、人家のすぐそばに堂々と来ていた。このような状況の時にネットを使うと反対側に落ちることがよくあるので、この方が確実だ。


 その後はゴマフばかりで、大したものは来ない。(写真Ⅳ3欠)仕方なく、その辺の甲虫のいそうなところを見て回ったが、カミキリモドキやコガネ、ハムシ位しかいなかった。12:30頃に伐採木の戻ると、小型の甲虫が飛んでいるのだが、早すぎてネットが間に合わない。しばらくして、伐採木の先の方の細い部分にエグリトラカミキリが飛来した。(写真Ⅳ4-6)動きが早く、その上小さいのでなかなか手が出せない。しばらく見ていると、幹の太い方へ出てきたので、接写をし、ネットを使って採集した。

 キマダラとエグリトラの2種を採り、一応、今日のノルマは達成したので、後は姿勢を低くし、他の甲虫が来るのを待つ。陽光は充分だし、PM1:30近くになったので、ここからが勝負となる。気温は25℃前後とあまり高くはないのだが、ずっと紫外線にさらされていると、体感温度はかなり高く、目も痛くなる。しばらくすると、伐採木の太い部分にキスジトラカミキリが飛来した。(写真Ⅳ7-8)


前回までは1勝3敗なので、慎重に獲りやすいところまで出てくるのを待ち、ズームで写真を撮ってからネットで捕まえた。今回のものは型もよく、全く欠損のない個体で、毒管に入れ、一安心していると、今度はすぐ近くのクヌギの太い部分にクビアカトラカミキリが飛来した。型もよく個体としてはなかなかのもので、これまでの2頭(5/6,5/11)だけでも驚いていたので、一瞬唖然としてしまった。ここで焦ると逃げられるので、まずは心をお膣せてから、その動きを追い、一番太い伐採木の陰の部分に出てきたところを慎重に捕まえた。(写真Ⅳ9-11)


 
 飛んだり歩くスピードは非常に早いのだが、前胸の赤が鮮やかなので、動きを追いやすい。これがPM1:30頃の時間帯だ。陽光はずっとさしっぱなしで、たまに雲が通過する位のものだ。それまでは、さっぱり来なかったトラカミキリが次々にやって来る。こうなると、こちらも興奮して、他の甲虫など追ってはいられなくなる。結局、PM1:30~2:30の間にキスジトラ2頭、クビアカトラ4頭が来た。キスジトラは細い伐採木に来るが、クビアカトラはどういう訳か、太い材にしか来ない。(写真Ⅳ12-14、14欠)


 そのうえ、着陸するとすぐに材の陰伸部へ来るので、意外と簡単に捕まえられる。キスジトラ1頭には逃げられたが、後は全部捕まえた。クビアカトラは型のいいものを2頭採集し、後は逃がしえやった。不思議なのは、相模湖や藤野では敏感で捕まえるのが難しいのだが、ここのクビアカトラは比較的楽に採れる。相模湖付近では10頭のトラカミキリを捕まえているが、クビアカトラは今まで見つけたのが6頭、このうち捕まえたのが2頭だけだけ。最近は、伐採木や薪があまりなくなり全く駄目だが、始めていった頃は、ルリボシカミキリは50頭位いたし、キイロトラカミキリなどは嫌になるほどいた。他にも、ウスイロトラ、ニシジマトラ、ムネマダラトラ、キスジトラ、エグリトラ、クロトラ、ヒメクロトラなどを採集している。その中でも最もとるのが難しかったクビアカトラが、ここでは楽に捕まえることができるのだ。このギャップはいったいなんなのかと不思議でならない。天敵が少ないのか、街に近く人なれしているのか、全く分からない。
 また、このクビアカトラカミキリについて疑問に思われるのは、いくら今年は切られたばかりの絶好のクヌギ材があるからといっても、私が大池に入り出してから15年位は立っているのに、今まで全く見なかったことだ。これまでにも以前の炭焼き釜付近に多数のコナラを中心とした材が置かれていたころに、多数のキスジトラ、エグリトラ、ミドリカミキリなどを見たし、採集もした。その場所からわずか、70m~80mの所だというのに、そこで全く見なかったものが、いくらクヌギ材だからといっても、このように3日間で6頭も捕まえ得たということに納得が行かない。クビアカトラは、温帯照葉樹の伐採木なら何にでも来る。また、この付近ではキイロトラも何度も見つけたことがあるのに、3日間で6頭見つけたものが今まで全く見たこともなかったというのは、論理的説明がつかない。現場主義のマニアにとっては、この場所にいたという事以外何も言えない。
 その後は、いつものコースを足早に回った。普通種はいるものの大したものはいなかった。マルバウツギやガマズミの花も満開なのだが、小型のコガネ、ハナムグリ、コメツキ位がいただけだった。果樹園の枯れた低木でエグリトラカミキリを見つけたが撮影だけして採らなかった。(写真Ⅳ15欠)林の中でもめぼしいものはいなかったが、出口付近の目立たたない低木にトゲヒゲトラカミキリが7~8頭来ていたが、そのままにしておいた。ガマズミの花も満開だが、コアオハナムグリとコメツキ位しか来ていなかった。(写真Ⅳ16)

 また、出口付近には根元を切られた太いツルがあり、10頭ほどのナカジロサビカミキリのペアがいた。(写真Ⅳ7-18、18欠)

 常磐高速道沿いの道にもマルバウツギなどがかなり咲いていたが、普通種ばかりだった。(写真Ⅳ19)

 しばらく行くと、また切られたツルがありよく見ていくとキスジトラカミキリの大型のものが来ていた。(写真Ⅳ20-22、22欠)


 ツルの曲がった部分にいるのでネットが使えず、しばらく様子を見ていると、うまい具合に下へ降りてきたので、逃げられてもいいと思い、接写をしてみた。何故かこの個体はあまり敏感ではなく、デジカメを近付けても逃げないので、ネットも使わず、素手で捕まえた。産卵後で少し弱っているらしかった。何にしても、今日は大量だったので、浮き浮きしながら帰途についた。


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