2015年4月23日木曜日

2015/04/23 根本さんの甲虫ノート(2015年序)


 本年は、アラレが2度降っただけで雪が積もるようなことはなかったが、冬場の気温は低く、強風の日が多かった。北日本では地吹雪が続き、大きな被害も出るような雪の量となった。しかし、どういう訳か土浦周辺では雪とはならなかった。3月も中旬となると、急に気温が上がり、サクラの開花も例年より早かったが、満開となったあとにアラレが振るなど気温の変化が激しく、甲虫の出も読みづらい状況だった。
① 本文とはあまり関係ないが、以前からブリーディング中のオオクワガタ(F7~F8 )が、常温にも拘らず、3月15日頃から動き出した。♂1頭と♀2頭が動きだし、少々ではあるがエサを食べ始めた。気温は最低気温が5℃、最高気温は20℃位の日が続いている。その後も20℃以降になるとかなり活動的になり、ドルクスゼリー(16g入り)  2個が2~3日で食べつくされるようになった。それでも、これは室温の事なので、自然界のものがどうなっているかは解らない。

注:F7 Filial generation 天然個体から飼育をした何代目かということで、F7は、天然個体から7代目にあたることになります。

注:ドルクスゼリー 昆虫用のゼリー状の餌の一種

②構造色について
 今年の初め頃に、上野の科学博物館で「色や光」をテーマにした企画展をやっていたが、その中で構造色という聞きなれない展示スペースがあった。これは色々な生物にあるのだが、特に、昆虫などに多い。体表面の細胞の配列や角度の違いによって、光の当たり方次第で色彩が大きく変化するという事が紹介されていた。

 これを見て、昨年記したアオドウガネの極端な色彩の変化が構造色というものだとピンときた。甲虫というものは大部分が体表面は固く、光を反射するので輝いて見える。特に、コガネムシ科やタマムシ科のものは輝きが強く美しい。糞虫であるオオセンチコガネなどは宝石のようだ。
 この構造色という概念で見ていくと、甲虫の色彩の違いもよくわかるようになる。特に気になったのがカナブンだ。カナブンには、他に、クロカナブンとアオカナブンがいるが、今まではアオカナブンの色彩変種と思っていたものが、実はカナブンの色彩変種だという事が分かった。通常、カナブンは銅褐色をしているが、中にはダークブルーのものやグリーンや赤に輝くようなものがいる。この後者は非常に美しいのだが、全体的にはグリーンの地に、赤やイエローが角度によって美しく輝く。私は今までは、これはアオカナブンの色彩変種だと思っていたが、これもカナブンだという事が解った。科学博物館の甲虫の展示スペースでもこれはカナブンとして展示されていた。色彩変種だといってしまえば終わりだが、あくまでも、地色はグリーンなので、マニアでも間違えている人は多いだろうと思われる。これは、構造色というものを知らなかったら一生アオカナブンだと思ったままになってしまう所だった。甲虫にも色彩変種は多いのは解っているが、これほど全く色彩の違うものが同一種だというものも珍しい。知っているようでも誤解していることも多いので、勉強は欠かせないとつくづく思った。(ただ、タイワンツノカナブンというのが台湾にはいて、雄の頭部に小さな突起がある以外は、このカナブンと全く同じ色と光沢をしている。この辺のところも明らかにしてほしいものだ。)


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