2014年8月18日月曜日

2014/08/18 根本さんの甲虫ノート

8月18日(月)晴れ 25℃~34℃
残念ながら、写真は添付されていませんでした。

 今年最後の採集に大池へ行ってきた。もはや日本は亜熱帯化しているのでとにかく暑い。家の中にいても熱中症で死ぬ人もいるのだから、今日のような暑い日に直射日光を浴びると頭がクラクラする。
 まずはオニグルミのある広場付近を回ってみた。トラフカミキリが来ていた大きなクワの木を見て回ったが、もはやトラフの姿は全くなかった。それでも幹を丹念に見ていくと、2mほどのところにカミキリらしきものがいる。接写は無理なので、ネットを使って慎重に捕まえた。ネットの中にいたのは両方の触角のないカタジロゴマフカミキリだった。(写真①・②)ナガゴマフカミキリよりはずっと少ない種なのだが、これでは標本にもできないので、再びクワノキに帰してやった。だいぶ弱っているようだったが、間近でみるとけっこうはでな色彩をしているが、木の幹などにいると、これが保護色となり、より地味なゴマフやナガゴマフより見つけにくい。次にクワではお馴染みのキボシカミキリを見つけた。(写真③)こちらはまだまだ元気で、接写後飛んで逃げた。果樹を食害するので、一時はその北進が問題となったが、果樹園などでは管理が厳しくなった上に、養蚕が衰退し桑畑もあまりなくなったので、現在ではあまり問題視されなくなった。
 次に、すぐ脇のエノキを見ると(写真④)まだかなりのタマムシが木の情報を飛び回っていた。たまに低空に降りてくるものもいたが、今更採っても仕方ないので次の場所へ移ろうかと思い、何気なく視線を落とすと、根元近くの幹の割れ目に甲虫の後部だけが見えている。(写真⑤)これはノコギリクワガタの♀かも知れないと思いピンセットで引き出すと、大池では初めて見つけたコカブト(コカブトムシ)の♀だった。(写真⑥~⑧)今までにも何頭か捕まえた事はあるが、すべてが樹皮下や太い伐採木の下、腐朽木の中で外界で見つけたのは初めてだ。まあ、この個体もこれから樹皮下へもぐる所だったのだろうが、まさに頭隠して尻隠さずと云う所で見つかってしまし、不運としか言いようがないので、殺さずに家で飼ってみることにした。このコカブトは図鑑によっては少ない種とされている上に、学者によっては動物の死体などにも来るうえ、幼虫は他の甲虫の幼虫を食べることもあるなどという人もいて、余り生態がはっきりしないのが現状だ。
 次にプレハブ小屋付近を見て回ったが、伐採木は雑草に完全に覆われてどうしようもない状況となっていた。仕方がないのでその周辺を探ってみると、前回とは違うセンノキにセンノカミキリ(センノキカミキリ)のペアがいたので、一応ネットで捕まえ写真だけを撮ってセンノキに戻してやった。(写真⑨・⑩)最近はシロスジカミキリやミヤマカミキリなどの大型の種が激減しているが、このセンノとクワカミキリは大型種にもかかわらずまだかなりいる。ただ、これも、その個体によってかなり大きさが違うので、大型のセンノカミキリだと40ミリを超えるものもいる。
 次にオニグルミのある広場付近を見て回ったが、カブトムシやクワガタのいるような木には人の入ったあとがあり、お盆で帰省した子供などが採ったらしくカナブンとアオドウガネ位しかいなかった。仕方がないのでオニグルミの太いものを見て回ると、ここに来た人なら一度は覗いたことのある洞(写真⑪)でかなり奥にいる甲虫を見つけた。いつもはゴキブリかカマドウマばかりなのだが、今日は違った。ピンセットで慎重に採り出すと、ユミアシゴミムシダマシだった。(写真⑫・⑬)以前にこの近辺でとったものよりはずっと小型だが、これは珍しい。後脚が跗節欠けだが採集した。この一番人が出入りする広場に意外に多くの甲虫がいるのは、オニグルミや若いコナラなどのおかげと、古く腐朽した伐採木(写真⑭)のおかげという面もある。ここまで腐朽が進むとカミキリやタマムシは来ないが、ゴミムシダマシ科やクワガタの幼虫にとっては絶好の場となっているので、よく探すとかなりの種がいる。
 その後はいつものコースを歩くが、余りにも暑く、これといった甲虫もいないまま林へと入った。途中の「池西湿地」付近の路肩が狭くなった上に、標識が置かれたので、人があまり入っていないようだ。ジョロウグモの巣が大野で分かる。入ってすぐの枯れ枝でトガリシロオビサビカミキリ(写真⑮)を採集した。これは他のサビカミキリ同様、他の場所では多いのだが、どういう訳か大池周辺では出ない。しかも、通常は出が早いので、この時期に大池で出会うのは意外な気がした。林の中のいくつかのポイントにもコクワガタの小型♂1頭がいただけだった。いつも行かない林道から少し入ったところのクヌギにタテハチョウが3から4頭飛んでいたので入っていくと、周りに多くのカブトムシの死骸がある。(写真⑯・⑰)どれも♂は小型なのだが、ざっと見ただけでも10頭分くらいはある。昔から子供の間では「カブトの墓場」などと呼ばれ、そこへ行けば毎年カブトムシやクワガタが獲れるので、発見すると自慢したものだ。案の定、根元付近に多量の樹液が出ている洞があり、(写真⑱)カブト(カブトムシ)の♀2頭とコクワガタの小型の♂4頭、♀2頭、近ごろ大池では見かけなくなったヨツボシケシキスイ3頭が来ていた。ほんの10日程前には、ここに多くのカブトムシやクワガタが群がっていたのだろうが、少々時期をはずしてしまったようだ。ここではヨツボシケシキスイ1頭だけを採集した。(写真⑲)
 その後も林の中を探ってみたが、樹液を出しているクヌギは多いのだが、(写真⑳)ヤトウガ(写真㉑)やタテハチョウは来ているが、甲虫の姿はなかった。(写真㉒)今年は気候が極端に変わり、猛暑と大雨による災害が多発し気象庁のスーパーコンピュータでさえ、かなり予報をはずした。私も虫の出が全体的に早いとは思ったが、予測をするのは難しく自分の経験だけではどうしようもなかった。そんな中でも、初めて採集したものや珍しい種を捕ったりできたのは、この里山の生態系が思った以上に豊かだからといえる。ここ大池付近の里山には、いまだに出会ったことのないものがまだまだいるはずだ。
 しかし、カブトムシ、クワガタ、カナブンなどは確実に減っている。その原因の一つが、この付近には畑が少なく、堆肥がない。林の中には長年をかけてできた自然の腐葉土があるので、全くいなくなることはないと思うが、今年はノコギリクワガタ、アオカナブン、クロカナブンを1頭も見かけなかった。つい4~5年前までは普通にいたのだが、どうもその辺の所が気になる夏だった。



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