2014年7月15日火曜日

2014/07/15 根本さんの甲虫ノート

7月15日(火) 晴れ 23~31℃
残念ながら、写真は添付されていませんでした。

 ここ10数年、地球の天候は大きく変動しているので、何が当たり前なのかわからないほどだ。今年も梅雨入りは昨年より少々遅いとはいえ、昔から考えたらメチャメチャだ。日本も温帯モンスーンというより亜熱帯に近くなり、東京湾もサンゴが定着し、熱帯性海水魚が当たり前のように泳いでいる。気象庁の天気予報も観測史上最大とか50年に1度の大雨だとかいう発表が当たり前になっている。そういう訳で梅雨時のつかの間の好天といっても、こちらの都合が会わず久しぶりの大池行きとなった。
 いつものコースの宍塚バス停方面から入り、常磐高速側に抜ける林道を歩く。ハムシは多いが花が多数咲いているというのに、どういう訳かコガネやハナムグリの姿がない。先ず、オニグルミのある広場付近から見ていく。大池付近では一番大きなクワの木を見ると、すぐにトラフカミキリの姿が目に入った。(写真①・2)例年だと8月に入ってから出現するが、今年は他の甲虫もそうだが出が早い。このクワノキはかなり大きいし、周りにクワノキが少ないのでこのように目立つところにあっても4~5種位のカミキリが来る。(写真③)枝上に飛来するものや幹の上へ登っていくものなど7頭を視認した。トラカミキリの中では動きは遅い方だが、それでもやはりトラカミキリなので、ほかのカミキリよりはずっと早く動く上にすぐ飛ぶ。木の上部に多く接写は無理なので、ズームで写したが余りよく写らない。しばらくすると、上部から降りてきたものがいたのでネットで捕まえた。(写真④)よく観察しているとほとんどのものが上へ登っていく。ペアの相手を探しているらしく、上部では交尾中のものもいた。結局接写するチャンスはなく、ネットをいっぱいに伸ばして2頭を採集した。
また、木の陰にいて気がつかなかったが、高さ2mほどのところで大量の樹液の出ている所にいたナガゴマフカミキリを見つけた。(写真⑤・⑥)ゴマフやナガゴマフ、カタジゴマフなどは、普通交尾と産卵のために伐採木にいるところしか見たことがないが、生木で動くことも無く体をいっぱいに広げている光景は初めて見た。樹液が大量に出ている所に頭部を押しつけているので、その可能性は高いが、こればかりは何とも言えない。
 一応、オニグルミのある広場付近は見て回ったが、ハムシやマメコガネ(写真⑦・⑧・⑨)などの普通種は多いが、目ぼしいものはいなかった。次にプレハブ小屋の脇にある伐採木へ向かう。途中のまだ細かい桑やセンノキなどは幹が白い綿状のもので覆われ、葉が枯れかかっているものが多く、この付近ではこの病気が広がっているようだ。その中では一番太い桑の木にクワカミキリのオスがいたので撮影だけしておいた。(写真⑩)伐採木はすっかり雑草で覆われていたが、枝の方はそれほどでもなかったので見て回ったが、ヒメヒゲナガカミキリが2頭いただけだった。
いつものコースへと戻り、伐採木や樹液を出しているコナラを中心に見てみたが、ナガゴマフカミキリとキマワリ、ニジイロゴミムシダマシ位しかいなかった。特に太いコナラなどの伐採木は入念に調べたが、何もいない。(写真⑪・⑫)これだけ見事なコナラ材がかなりあるにもかかわらず何もいないというのが、何とも不思議に思えた。対岸の切り株にクロナガタマムシがいたが、ほかの甲虫らしきものは全くいなかった。その後は例のゲンベーヤマ西側のヤマザクラで交尾中のゴマフカミキリを発見。(写真⑬・⑭)子のヤマザクラも枯れた部分は多いが、木自体はまだ生きている。ヤマザクラに来ているゴマフのペアなど見たのは初めてだったので、少々驚いた。カミキリの場合、交尾中のペアはその木に産卵するのが普通だが、そこまでは確認のしようはない。扨て、個々のヤマザクラと言えばヤツメカミキリで、今日の目的のひとつなので、じっくりとみていくと、その中の1本に交尾中ではないが、2頭のヤツメカミキリが来ていた。この木もまだ生きてはいるが、枯れ枝もかなり目立つ。交尾中なら接写も可能だが、単独となるとすぐに飛ぶので撮影はあきらめネットで慎重に捕獲した。(写真⑮)この付近のヤマザクラは枯れているものが多いと以前に記述したが、来るたびに確認しているが、これがヤツメカミキリのせいだと決めつけるのは早計過ぎる。抑々、この付近には直径が60cm以上あるもの(写真⑯)から15cm程のものまで30本くらいのものがあるが、その内の15~6本が完全に枯れている。それにしてはヤツメカミキリの絶対数が少なすぎる。どう考えても、この20㎜前後のカミキリとその幼虫だけで、これだけのヤマザクラを枯らしたとは思えない。しかも、このカミキリは他の場所でもそうなのだが、交尾をしているのは根元に近い場所だけだ。単独では2~3m以上の高いところにもいるが、複数が集まって交尾をしたり、相手を探しているのは、根元から以下のところばかりだ。通常カミキリは産卵場所で交尾を行うので、幼虫もかなり低い位置にいると推察できる。またヤツメカミキリの脱出孔らしきものもあるが、これも数が少ない。実際一部が枯れているが、まだ生きているヤマザクラにナガゴマフカミキリのペアが来ていた。この両者は、サイズ的にはほぼ変わらないので、どちらの脱出孔かわからない。数にしたら、ナガゴマフの方が圧倒的に多いし、ほかのカミキリも産卵をする可能性も十分にある。しかも、私の見た限りでは、キクイムシのものと思われる小さな脱出口が圧倒的に多い。また、今回気付いたのだが、この周辺で一番大きく太いヤマザクラ(生木)には、すでに小型のアリが入り始めている。(写真17・18)以前からここ大池には小型のアリが多く、伐採木や太い倒木も1年足らずで小型のアリにやられ、本来ならカミキリなどが産卵に来るはずのものでもダメになってしまうと記してきた。甲虫にとっては、この木を加害する小型のアリの存在が一番の問題だ。ここでは、かなり太い伐採木や倒木、立ち枯れの木などが結構あるのだが、半年から1年位でアリが入り始める。普通、ほかの低山地などでは3から4年位はカミキリなどの産卵木として持ち、アリが入り始めるのはその後の事となる。景信山や陣馬山では4年後くらいまではトラカミキリやルリボシカミキリが来る。ここではなぜこんなに早いのか疑問だ。
 その後はいつものコースを進む。林の中は、まだクワガタやカブトムシなどは出でおらず、いくつかのポイントも回ってみたがカナブン位しかいなかった。(写真19)途中の枯れ枝にお馴染みのヤハズカミキリ(写真20)の立派なオスがいたので撮影だけしておいた。その後も、前回折っておいた小枝を中心に乱伐採集をした結果(写真21・22)、ヤハズカミキリ3頭を見つけたが、採集はしなかった。同定をするためには標本が必要と言われるが、一応、寺で生まれ育った人間としては、無駄な殺生はしたくないのである。この写真(22)を見てもらえばわかるが、自然界ではこのように既に触覚や跗節がかなり傷ついているものが多く、こちらの展翅や保存の悪さだけではなく、完全な標本を長く残すという事は非常に大変だ。
 林を抜けると出口付近には太いクヌギが多く、クワガタやカミキリをよく見つけるのだが、案外しけた低木にいることも多い。(写真23)常磐高速沿いのコナラの枝を乱伐採集してみると、コナラシギゾウムシ(写真24)とサビヒョウタンゾウムシ(写真25)が採れた。その後もゾウムシ、ハムシなどは多いが目ぼしいものはいなかった。帰りのバスを待っていると、目の前にゴマダラカミキリが飛んできたが、今更撮影するほどのものではないので、そのまま帰途についた。



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