2013年8月19日月曜日

2013/08/19 根本さんの甲虫ノート

8月19日(月)晴れ時々曇り 26℃~35℃
 私も今週の後半からは、会員をしている主体美術協会の搬入や審査が始まるので、今回が最後の採集となりそうだ。前回、アカアシオオアオカミキリという少ない種を採ったので、今日は夜間採集もやってみることにした。
 PM4:45位に、いつものように宍塚側から入る。ここのところ、34℃~36.5℃といった猛暑が続き、土浦でも史上最高温となる37℃を3回記録した。あまりの暑さで、甲虫ばかりでなく、セミやチョウも数が少ない。入ってすぐのオニグルミの木で、ノコギリクワガタの總1頭とコクワガタの♂3頭を見つけたが、型が小さいのでそのままにしておいた。今日は、林の中のポイントでの灯火採集が目的なので、先を急ぐ、オニグルミの伐採木には、まだナガゴマフカミキリが3頭とヒメヒゲナガカミキリ2頭がいたが、さすがに8月も後半になると、カミキリは余りいない。池へと続く農道でカブトムシの♂3頭をみつけ最も形のいい1頭をそのまま持ち帰ることにした(写真7-1)。犬の散歩の為に通りかかった近所の人が、「この辺にもなにかいるのですか」というので、中型の1頭をみせると驚いた表情をして、「孫にやるからいいですか」というので渡したら、喜んで帰って行った。毎日通っているはずなのだが、一般の人には、いるのがわからないらしい。 
7-1コナラの樹液に来ていたカブトムシの♂。
最近はこうした大型のものが少なくなった。

 今日は、夜間採集用に8Wの蛍光灯と大型の懐中電灯、古くなった白いシーツなどを持ってきたので、リュックにカメラが入らず撮影ができなかったので、いずれも、翌日に写したものだ。最も残念だったのは、農道わきにある一昨年、強風で倒れたクヌギの大木に産卵しているタマムシ(写真7-2)を採れなかったことだ。通常、タマムシはエノキかサクラの伐採木にしか産卵しないとされているが、大池付近では、コナラやクヌギの倒木や伐採木に産卵しているのを何度も確認している。生木には産卵しないが、エノキやサクラがなくても、コナラやクヌギの伐採木があれば多くのものが産卵に来る。 
7-2倒れたクヌギの大木に産卵していたタマムシの♀。
これは翌日撮ったものだ。

 最近は日の入りがはやくなったので、林に入るころには辺りは薄暗くなり始め、林の中は思った以上に暗い。途中のポイントで灯火採集をしてみたが、来たのは蛾とキリギリス位だった。これは駄目だと思い、急いで林の出口付近へ向かう。林を抜けると、まだ視認できるくらいの明るさがあったので、ポイントとなるクヌギとコナラを一応見て回ったが、コクワガタの♂が3頭いただけだった。7時近くなると、さすがに辺りは暗くなり、ライトなしでは動けない。林の反対側の低木に白いシーツを広げて、紐でとめる。8Wの蛍光灯型ライトを上部につるし、自分は、大型ライトとネットだけを持って、太い木を中心に何度も行ったり来たりして探っていると、1本の太いコナラの高さ2m程のところに型のいいノコギリクワガタの♂を見つけた(写真7-3、-4、-5)。何度も来ている所でも夜になると周りの状態は全く分からなくなる。ササや小枝も多いので、眼でも傷つけたら大変だし、思わぬケガを追う事も有るので、夜間採集はいつもリスクがつきまとう。とにかく、慎重を期して、ネットを近付けたが、この♂は希少が荒いのか、下に落ちずにネットの金属部分にかみついて離れない。仕方がないので、そのまま静かにネットを林道上まで持ってきてやっと捕まえた。最近のクワガタは小型化しているが、これは、オオアゴの湾曲も見事で、上翅も堅く、厚い。久しぶりに『是がノコギリクワガタだ』といえるものを捕まえた。   


 7-3~-5 これくらい立派なノコギリクワガタは最近珍しい。
オオアゴの湾曲が何とも言えない個体だ。アップで見ると益々迫力がでる。

 しばらくしてから、灯火採集場所に行くと、オオスジコガネとコフキコガネだけで、あとは蛾ばかりだった。仕方なくシーツをはずそうとしたら、いきなり目の前にオオミズアオが現れた。どうも、シーツの裏に止まっていたらしい。蛾ではあるが、その形と透き通るような淡いブルーはいつみても美しい。
 その後は、常磐高速の脇を通るいつものコースを歩いていく。この林のどこかにアカアシオオアオカミキリがいるのは分かっているのだが、日中でも入るのは難しいのに、夜間となればなおさらだ。途中、2ヶ所で灯火採集をしてみたが、来るのは蛾とウマオイ位だった。やはり、8W程度の蛍光灯と大型の懐中電灯では照度が低すぎ、甲虫を集めるには最低でも15W以上の蛍光灯でないと無理のようだ。常磐高速の反対側には街灯も多いので行ってみたが、蛾以外の虫はほとんど来ていなかった。吉瀬のセブンイレブンで缶ビールを飲み、帰ろうと思っていると、向かい側の中古車センターに強力なサーチライト式の照明があり、多くの虫が飛び交っているのが見えた。急いで行ってみたが、サクラコガネやスジコガネばかりで甲虫はあまり大したものはいなかった。時期が遅いとはいえ、これだけ強いライトでも駄目なのだから、冬場に何度が来てアカアシオオアオカミキリのいた辺りをよく知れべて、辺りをつけて置かないと無理だと思った。その後、迎えに来てくれた甥の運転する車で10:00頃帰途についた。
今回の採集で感じたのは、♂はいるが♀がいないという事だ。クワガタもカブトも♂はいるが、♀は全くいない。この日も、最近減っているミヤマカミキリの♀(写真7-6、-7)を見つけたが、もう死ぬ寸前で、次の日には死んでいた。前回(8/2)捕まえた♂はいまでも元気に生きている。これはブリーディングをやっていると分かるのだが、多くの甲虫の♀は、産卵をすると、10日程で死んでしまう。生物学的には当然の事だが、種によってはそうでないものもいる。甲虫でも、クワガタはドラクス系と言われる数年生きるオオクワガタ、ヒラタ、コクワなどは♀でも越冬するし、オサムシやゴミムシなども♀も越冬する。以前やっていた冬季採集では、倒木からコクワガタの成虫の♀と15~16頭の幼虫が出てきたこともある。大多数の甲虫は、♀の出が♂より早く、死ぬのも早い傾向があり、ノコギリクワガタは6月~7月の方が♀をよく見かけるが、8月も下旬になると♀はほとんど見かけない。外国産甲虫などをブリーディングしていても、このような傾向は顕著で、♀の出と♂の出がかなり違うものもよくいる。  

7-6、-7 ミヤマカミキリの♀ 触角が短いので判別できる。
この時期になると、多くの甲虫の雌は産卵を終え、死んでしまう。

 いずれにしても、今年の高温とゲリラ豪雨、自分の本業の方の関係で遠くへは1度しかいけなかったが、それなりの成果はあった。遠方で珍しい種を採集するのも面白いが、この都市になってくると、そうした遊び感覚の採集に飽きてくるというのも実感してくる。これは、お金をかけるかけないかの問題で、生態系がどうのこうのということとはズレを感じるのだ。実際、自分が生まれ育った市の中にある小さな里山の生態系すら掴みきれてないのに、見事なコレクションを並べたところで何にもならないと思う。
 今後も、この程度の記録しかできないと思うが、やらないよりは、やった方がいいのは、決まっている。そして、それは自分として面白いことであるのは確かだ。


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