2013年8月2日金曜日

2013/08/02 根本さんの甲虫ノート

8月2日(金)曇り時々晴れ 23℃~28℃
 今年は、偏西風が日本上空で蛇行しているため、各地で異常な高温やゲリラ豪雨が多発している。茨城は、7月に35℃という高温が続いたが、ここしばらくは涼しい日が続き、エアコンもいらないくらいだ。今日も、気温は余り高くなく、里山を歩くにはちょうどいい具合だ(写真6-1)。
6-1宍塚側から入ってすぐのオニグルミのある広場
大小多くのオニグルミがあり、カミキリやノコギリクワガタがいる。

 いつものように宍塚側から入ってすぐの栗の木に、型のいいコクワガタの♂がいた。近頃はクワガタやカブトムシは小型のものが目立ち、特にコクワガタの小型化は顕著だ。先日トラフカミキリのいたクワの木へ行ってみると、すぐに、トラフを発見(写真6-2)、撮影した。この木は、大池付近では一番大きいのだが、これに近い大きさのものもあるが、トラフが来るのはこの木だけだ。
6-2オニグルミのある広場にある大型のクワの木
この木だけトラフカミキリが来る。

 次に、オニグルミの伐採木を探ってみる。もう、カミキリの季節ではないのだが、ナガゴマフカミキリ4頭、ヒメヒゲナガカミキリ(写真6-3)5頭がいた。
6-3 オニグルミの伐採木にいたヒメヒゲナガカミキリ

家でブリーディングをしているので分かるのだが、カミキリの場合、一部の大型種を除いては、大体2週間程しか生きない。特に、産卵を終えた♀は、2~3日で死んでしまう。従って、月に2回ぐらいしか来ないのでは、いくら小さな里山といってもほんの一部しか見ていないこととなるので、この付近の本当の生態系を掴むのは難しい。何しろ、50頭以上いたナカジロサビカミキリがその2週間後には全くいなくなっているというようなことがこれまで、度々起きているのだから、見逃している種の方が多いかもしれない。
 その後は、いつものコースへ戻り、農道を行く。カナブン、シロテンハナムグリは多いが、そう変わったものもおらず、一応、ヒラタアオコガネだけを採集した。途中の太い杉の倒木にはナガゴマフカミキリとキノコムシ3種とカブトムシの♂1頭がいたがそのままにしておいた。
果樹園には、以前から太い桑の木が2本あるのだが、ここでトラフカミキリを見たことはない。その代り、大型のクワカミキリのペア(写真6-4、-5)がいたので写真を撮ったが、高いところにいたのでズームでとるしかなく、少々ピンボケになってしまった。以前は、キボシカミキリがいたのだが、クワカミキリがいるようになってからは姿を見なくなった。甲虫も樹液を巡っては争うが、縄張りがあるのかどうかは分からない。この付近のコナラやクヌギにはクロカナブンも多いのだが、かなり上空を飛んでいるので手の出しようがない。
6-4果樹園にあるくわの木に来ていたクワカミキリのペア(Pr)
6-5 6-4と同じクワカミキリのペア(Pr)
高いところなのでズームでとったがやはりブレてしまう。

ンベーヤマを一応回ってみたが、目ぼしいものはいなかった。次に、前回ヤツメカミキリのペアが2組いたヤマザクラを探ってみた。ヤツメはいなかったが、この付近のヤマザクラを改めて見ると、17~18本位のうち6割ほどが枯れている。明らかに甲虫の脱出孔と思われるものも多数ある。ヤツメの場合、体長は15㎜~25㎜位なのを考えると、そう思える脱出孔も多いのだが、より小さいものの方が圧倒的に多い。おそらく、キクイムシの類だと思われるが、そう簡単に断定はできない。 その上、かなり大きな脱出孔もあるが、ヤマザクラにこのような大きな甲虫が食い入るなどという話は聞いたこともない。コゲラか何か別の鳥か動物かも知れないが、それ以上は判断のしようがない。最終的には、小型のアリが入り、枯れるのだが、それを引き起こしたのは、ヤツメかもしれない。大池付近には、他にも多数のヤマザクラがあるのだが、他の場所で枯れているものは少ない。いずれにしても、憶測だけで、判断できないので、これからも、この付近の状況は注視していくつもりだ。
 その後は、いつものコースを行くが、ハムシとゾウムシ位であまり大したものはいなかったが、赤松の付近を飛んでいるウバタマムシがいた。林の中は湿度が高く、気温の割には汗をかく。10年ほど前には、この林にも、ノコギリクワガタがよくいたが、最近はあまり見なくなった。途中の枯れ枝で擬態をしているカミキリを発見。ネットを下から近付けるが全く動こうとせず、仕方がないのでかなり乱暴にネットの中へ落した。ネットの中を探ると、カタシロゴマフカミキリ(写真6-6)だった。ナガゴマフは多いが、カタシロは少ない。
6-6 カタシロゴマフカミキリ
文字通り両肩部分が白いので、ナガゴマフと区別ができる。
ゴマフの中では少ない種だ。

 やっと林の出口付近まで辿り着いたころには、日もかなり西に傾き、気温も下がってきた。今日はクワガタ狙いでいつもより遅く家を出てきたので、暗くなるまでここで粘って見ることにした。ただし、この付近は太いクヌギやコナラがあるので(写真6-7)、カブト、クワガタ狙いの人がよく入っている。下草や笹の状態を見るとすぐにわかるし、実際にそういった人によく会う。まず、ざっと見て回ったが、カナブン位でまだ時間が早すぎるようだ。それでもまだ目視で探せるので、ポイントの木を中心に何度も入ったり来たりしていると、クヌギの太い幹にからんでいるツタの中から、中型のノコギリクワガタの♂が出てきた。下草が深いので、下に落ちられたらどうしようもない。そこで、折り畳み式の傘を開いて逆にし、これを木の下に開いて置けばネットに入らなくても大丈夫だ。幸い、うまくネットの中におちてくれたので、一安心。結局、ここではノコギリクワガタの中型の♂と型のいいコクワガタの♂2頭、♀1頭を捕まえ、ブリーディング用にノコギリの♂とコ桑のコクワの♀を1頭づつ持ち帰ることにした。
6-7かなり太いクヌギでコクワガタやノコギリクワガタが来る。
昨年はキマダラカミキリを捕っている。

 7時近くになるとすっかり暗くなり、常磐高速沿いの道を歩いていると、建物付近の街灯にコガネムシに混じって飛んでいるカミキリらしきものを発見。慎重にネットで捕まえてみると、何んとアカアシオオアオカミキリ(写真6-8、-9、-10)ではないか。これはは、夕刻から夜間に主にクヌギの生木に来る夜行性のカミキリだが、何しろこれを採ったのは、20年位前、偶然に水戸の森林公園で捕まえた1頭だけだ。
 思わず『やった』と心の中で叫んでしまった。私にとっては希少種の上に、美しく27㎜と型もいい。このようなカミキリが、この林の中にまだまだいるとなると、あらためて大池付近の生態系の豊かさを感じざるを得なかった。また、それと同時にこの記録が、里山のごく一部しか捉えていないという事を実感した。


6-8~6-10 アカアシオオアオカミキリ
 夜行性で夕方ころクヌギの切り株や生木に来る。カミキリに興味のある人ならだれでも憧れる種だ。とにかく美しい。エメラルドグリーンの地が赤や黄色に光り、赤い足とよくマッチする。

(写真6-11本文とは関係ない)
6-11 枯れ木上のキマワリ


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