2013年7月22日月曜日

2013/07/22 根本さんの甲虫ノート

7月22日(月)曇り時々晴れ 22℃~30℃
 ここ2週間程は涼しい日が続いているが、今日は湿度が高く暑い。いつものように宍塚側から入る。ここもすっかり片づけられすっきりしたが、ポイントなる木は大部分残っているので、影響は限られる。エノキの上部には、タマムシは来ておらず、まだ時間がかかりそうだ。もともと出の遅い種なので8月に入れば集まってくるだろう。まず、オニグルミの伐採木から見ていく。ヒメヒゲナガカミキリが3頭とナガゴマフカミキリが5頭いたが、あとは小型のカレキゾウムシが2種いただけだった。近くの葉上でツヤスジコガネ(写真5-13)をみつけたので採集した。光の当たり具合で色彩が変わる美しい種だ。

 5-13 ツヤスジコガネ 色彩の変化が多く美しい種だ。

 オニグルミにはコクワガタの♂がいたが、型がちいさいのでそのままにしておいた。次に大きなクワの木を見てみると、トラフカミキリ(写真5-1,5-2)の♀が産卵に来ていた。 
5-1 トラフカミキリの♀ クワにしか来ないが、生木を加害する。
5-2(5-1と同じ個体)
少々ピンボケだが、動きが早く敏感な種はファインダーを見ながらは撮れない。

 宍塚付近は、桜川に近いうえに、大池もあるので、昔から水田が中心で養蚕はあまり行われておらず、クワの木が少ない。ある程度大きな木は10本程度しかない。小さな木ならあるが、小さなものには小型のクワカミキリが来る程度だ。トラフカミキリに関しては、これまでにこの木で2頭を採集した事があっただけだ。今回は、この木で1頭。近くのクワの切り株で1頭(写真5-3)をみつけたので写真だけを撮っておいた。 
5-3(5-1,2とは違う個体) クワの切り株に産卵に来ていたトラフカミキリの♀

ふと足元を見ると、このクワの枝(直径5~7㎜程度)が10本程伐採してあったので見ていくと、ヤハズカミキリが4頭来ていた(写真5-4、-5)。ヤハズは以前は普通種だったが、最近はあまり見なくなっている。しかし、ここ大池付近には非常に多く、広範囲に分布している。
5-4 伐採されたばかりのクワの木の枝。ヤハズカミキリが4頭来ていた。

5-5、-6 桑の伐採木に来ていたヤハズカミキリ

 さて、その後は、いつものコースを歩く。オオヒラタシデムシ(写真5-7)は、成虫も幼虫も多いが、あとは、ハムシが7~8種とナガゴマフカミキリ(写真5-8)、カブトムシの小型の♂がいた位だった。先日、ヤツメカミキリがいたヤマザクラ付近にもうヤツメの姿はなく、キクイムシやコメツキなどの小さなものばかりだった。途中の枯れ枝でトガリシロオビカミキリを見つけたが、このカミキリは他の場所では多いが、どういう訳か大池付近では余り見ない。
5-7 オオヒラタシデムシ
ミミズや甲虫、死んだ動物など何でも食べる。成虫だけでなく幼虫も多い。
5-8 葉上にいるナガゴマフカミキリ。今年はゴマフより多い。

 林へ入ると湿度が高く、かなり汗をかく。林の中では、カミキリのいそうな新しい枯れ木や枝とクワガタがいるいkつつかのポイントを中心に探したが、ノコギリクワガタの小型♂1頭とコクワガタの♂2頭を見ただけだった。ただ、この付近にはカミキリやクワガタの来る木が多いので、40分近くかけて探した結果、太いセンノキでセンノキカミキリ(写真5-9,-10)の大型♂2頭を見つけた。
5-9 センノキにいるセンノカミキリ(センノキカミキリ)
大型の割に敏感で接写は難しい。また、センノキには鋭いトゲがあるのでなおさら。
5-10 センノキにいたセンノキカミキリ(5-9とは違う個体)
センノキカミキリは個体によって、大きさがかなり異なる。これはかなりの大型。

 また、クヌギの枝で大型のミヤマカミキリの♂を久しぶりに見つけたので、これは家で飼うことにした(写真5-11,5-12)。ミヤマカミキリの減少には、今まで何度か触れてきたが、ここ大池で見たのは4~5年ぶりの事だ。体が大型なので、幼虫の育つ状況が大きく変わり、その分、個体数が減っているのではなかろうか。とにかく、温帯照葉樹の減少と、それを使う人間の生活の変化によって、非常に多くの種が打撃を受け、14~15年位前と比べても、その変化は著しい。こうした一般の人にはどうでもいい事が、いつの間にか人間の存在自体を脅かしていることを、我々は知るべきだと思う。そんな大袈裟な事などといっている場合ではないというのが、現場を歩いてきた私の正直な思いだ。いずれにしても、社会の中では無駄な事だと位置づけられている、こんな小さな里山の甲虫の記録でも、人という存在の犯した過ちは取り返しのつかないところまで来ているように思える。
5-11 ミヤマカミキリの大型の♂
最近あまり見なくなったが、大池にはまだまだいる。自宅で撮影。
5-12 ミヤマカミキリの♂ 夜行性で屈光性が強い。


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